「傘をさしていったら~」と傘を差し出し、雨の日に傘をささずに登校する子どもたちに‘傘を貸す取り組み’を今年1月から始めた首里当蔵町自治会。朝の見守り活動(立哨)をする地域の大人が子どもたちに声を掛け、傘を手渡します。地域住民の協力で住宅の一角に傘を自由に借りることができる無人の傘置き場、「かさステーション」も設置され、地域活性化に一役買っています。“傘”を通して大人が子どもたちに声を掛けるきっかけにもなり、「地域の和が少しずつ広がっています」と話す当蔵町自治会の仲本久美子自治会長。子どもたちの安心・安全を見守りながら地域のコミュニティーが広がる手応えを感じている様子です。
朝の見守り活動に尽力されている民生・児童委員さんが以前からこの活動を行っていたそうです。また、数年前から琉球新報城西販売店でも店頭に傘を置き、誰でも傘が借りられるようなサービスを行ってきたそうです。その活動を自治会のみんなで一緒に取り組もうとつなげたのが、自治会会員で城西小学校のスクールゾーン委員長でもある仲地宗幸さんです。ご自身のお子さんも児童・民生委員さんから傘を借りた経験があるとのこと。
傘を差し出しても遠慮がちな子どもたちが多いようですが、「持っていきなさいね」と地域の大人が積極的に声を掛けているそうです。ある雨の日、以前に傘を借りた子が自分の傘をさして登校していた時には「今日は持っているね」と声を掛けたという仲地さん。雨の日にはご自身も傘を持って立哨されています。「少しおせっかい気味にやっていこうとみんなで話ました。人に甘えられる地域文化を作っていきたいと思います」とお話してくれました。 貸し出す傘は、城西販売店の店主、宮里清さんが提供されました。借りた傘は、かさステーションや当蔵町公民館、見守り活動をする地域の大人たちへ、いつでも返却ができます。かさステーションや販売店の店頭には、傘をそっと寄贈する人の姿もあるようですよ。素敵な協働の取り組みです。
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